訪問介護事業の指定を受けるには、事業所ごとに都道府県知事に申請しなければなりませんが、指定を受けるために必要な要件がいくつかあります。
ここでは、指定を受けるための要件について大阪府の場合を例に説明いたします。
要件1.法人格を有すること
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あらたに法人を設立して事業をはじめる
ゼロからはじめる場合は、まず法人を設立する必要があります。株式会社や合同会社(LLC)、NPO法人などを設立して事業をはじめます。やぶき行政書士事務所では、あらゆる法人の設立もサポートいたします。
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既存の法人を利用して事業をはじめる
すでに設立されている法人を利用して介護支援事業をはじめることができます。その場合は、法人の目的に “通所介護事業” をおこなう旨が明記されていなければならず、明記されていなければ目的変更登記をおこなう必要があります。
要件2.人員について
A. (一般型) 利用定員が10名を超える場合
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管理者
事業所ごとに、常勤で、専ら当該事業所の管理業務に従事する管理者を1名配置しなければなりません。サービス提供責任者と兼務できます。
【資格要件】なし
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サービス提供責任者
訪問介護員の中から専ら指定訪問介護の職務に従事する常勤のものを事業の規模に応じて1名以上配置しなければなりません。
※月間の延べサービス提供時間が450時間またはその端数を増すごとに1名以上
※訪問介護員等の数が10人またはその端数を増すごとに1名以上
【資格要件】介護福祉士、訪問介護員養成研修1級課程修了者、訪問介護員養成研修2級課程修了者であって、3年以上介護等の業務に従事した経験を有する者、看護師、准看護師
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訪問介護員
常勤換算方法※で2.5人以上必要です。(サービス提供責任者含む)
※「常勤換算方法」とは、当該事業所の従業者の勤務延べ時間数を当該事業所において常勤従業者が勤務すべき時間(32時間を下回る場合は32時間を基本)で除することにより、当該事業所の従業者の員数を常勤の従業者の員数に換算する方法をいいます。
【資格要件】介護福祉士、訪問介護員養成研修1級〜3級課程修了者、看護師、准看護師
要件3.設備について
●事業の運営を行うために必要な広さの専用の区画
事務室は、職員、設備備品が収容できる広さを確保すること。
相談室は、遮へい物の設置等により相談の内容が漏えいしないよう配慮したものであること。
●必要な設備・備品
訪問介護事業を実施するために必要な設備・備品や、手指を洗浄するための設備等感染症予防のための設備、備品をそろえなくてはなりません。
要件4.運営その他について
●損害保険への加入
訪問介護事業の提供により利用者に損害をあたえた場合に備えて、損害保険へ加入しなければなりません。
●重要事項の説明・同意
サービスを提供する際、あらかじめ利用者や家族に対し、サービスの内容や手続きなどを文書により説明し、同意を得る必要があります。
●サービス提供拒否の禁止
正当な理由がなくサービス提供を拒否してはいけません。
●他の事業者の紹介等の対応
サービスの提供が困難な場合に、他の事業者を紹介するなどの必要な措置を講じなければなりません。
●居宅介護支援事業者等との連携
サービス提供の際は、居宅介護支援事業者や保健医療機関、福祉機関などと密接な連携に努めなければなりません。
●ケアプランに沿ったサービスの提供
ケアプランに沿ってサービスを提供しなければなりません。
●その他
「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(厚生省令第37号)」に規定されている事項を遵守しなければなりません。